次の世代に一番伝えたい事は、すべての人は自分の力の及ばない歴史の中で、有り難く生かされているということを認識する、感謝の心ではないかと思う。その視点で見てみると、命の尊さ、人のために尽くすことの大事さ、手を差し伸べるやさしさや思いやりをどうすれば自然に学べるのかという事につながってゆく。
私は、これからの世代におすすめで、一番いい方法は、3世代前までの自分の家族の歴史をひもといてみることだと思う。自分の家族史をしっかりと見つめることである。
そう思う理由は、その3世代の中に明治維新から大正、昭和、平成に至る、おどろくべき時代の流れ、価値観の変化、日本文化の変容、食事や遊びなどの様ざまなライフスタイルのめまぐるしい変遷が存在し、その最終のステージが今であることがまず実感できると思うからである。
そしてさらに大事な事は、自分の家族の足跡として、一体どれぐらいの家族メンバーが戦争というステージで、どのように生き、また亡くなっていったのかを知れば、生かされているという意味がおのずと、心に湧いてくると思っている。
私の親父の兄弟は親父以外の4人の兄はすべて戦死、4年の従軍の後、父はフィリピンで捕虜となり、帰国時も前の船が撃沈されたが奇跡的に生還できたと聞いた。
また、私の母親は疎開先を決める時に、広島にするか福島にするかで迷ったが、福島を選んだので、被爆をまぬがれたそうだ。その二人の間に生まれたのが私である。
また母の弟と父は、結核で終戦の前の年に亡くなったのだが、対照的に、私は幼児性の結核に1歳の時にかかったが、幸いマイシンを何とか両親が手に入れて生きのびることができたそうだ。82歳の母は、昨年、母の父と弟の供養を兼ね、四国八十八ヶ所の巡礼を成し遂げた。特に療養所に入っていた弟は、葬式もできず遺骨ももらえなかったそうだ。
たった6年の違いで、その間に日本の状況が好転おかげで、自分が幸運にも生かせてもらったとしかいいようがない。
多かれ、少なかれ、次の世代の人たちのせいぜい2世代前の祖父母の人たちは、同様の体験をして今日に至っているのだが、その足跡は、学校での日本の歴史では残念ながら見えてこない。先祖のお墓参りももちろん大事だが、3世代前までの家族を振り返ってみることを次世代の人に是非すすめたい。
誰もすぐ側に、“本当に自分が生かされている”という実感を持てる、自分が主役の“家族の歴史”があるのだがら!
2006年10月02日
2006年09月25日
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